「エネルギー・地層処分について考える市民の会」活動報告

 このページでは、2017年度の「市民の会」の活動内容を紹介していきます。

2017年7月10日 日本原燃株式会社の見学


 2017年7月10日に、青森県六ケ所村にある日本原燃株式会社を見学しました。
 最初に、日本原燃のPRセンターで概要説明を受けた後に、PRセンター内を見学しました。その後、バスに乗って、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、再処理工場、使用済み燃料プール、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターを見学しました。
 対応していただいた日本原燃の職員の方、PRセンターの職員の方に、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

概要説明
 はじめに、PRセンター内で、六ケ所村、および、日本原燃の概要説明を受けました。
  • 六ケ所村は、6つの地域が合併したため、「六ケ所」という名前になっている。イカ・鮭漁や、ナガイモ栽培など、一次産業が盛ん。村の中央にはむつ小川原工業基地が広い面積を占有している。
  • むつ小川原石油備蓄基地は、日本に10か所ある備蓄基地の第一号。
  • 日本原燃の原子燃料サイクル施設は、尾駮沼を囲むように立地している。
  • その他にも、村内には風力発電が92基あり、また、複数の太陽光発電パネルが設置されているなど、近年は「エネルギーの村」となっている。
  • 原子燃料サイクル施設は海岸から約5キロ内陸、標高55メートルの高台に位置している。
  • ウラン鉱山で採掘されたウラン鉱石は、六フッ化ウランに加工され、ウラン濃縮工場に運ばれる。天然ウランは、核分裂しやすいウラン(ウラン235)が約0.7%であるが、ウラン濃縮工場では遠心分離をしてウラン235の割合を3~5%まで濃縮する。
  • 濃縮されたウランはペレット、燃料集合体へと加工され、原子力発電所で燃やされる。
  • 原子力発電所の床を洗った水、作業着、手袋、配管、フィルターなどは、低レベル放射性廃棄物として、日本原燃敷地内で埋設処分される。
  • 使用済み燃料は再処理工場へ運搬され、再処理される。回収されたウラン・プルトニウムはMOX燃料加工工場でMOX燃料に加工され、再び原子力発電所で活用される予定となっている。
  • 残りの高レベル放射性廃棄物はガラス固化され、貯蔵センターで30~40年間空冷保管される。その後、ガラス固化体は地層処分されることになっている。

PRセンターの見学
 次に、PRセンターを見学しました。様々な展示が置かれており、日本原燃でどのような作業が行われているのかがイメージしやすくなっていました。
  • 3階は展望台。再処理工場やウラン濃縮工場が見える。風車や石油備蓄基地のタンクも見ることができた。
  • 2階には、放射線に関する展示が置かれていた。クラウドチェンバー(霧箱)は、普通は見ることのできない放射線を可視化する装置。その他に、放射線の測定器が置かれていて、花崗岩や海藻から出てくる放射線を測ることができる。
  • 1階・地下1階では、再処理の流れを追うことができる。原子力発電所で使い終わった燃料集合体を細かく切断→硝酸溶液でウランペレットを溶かす→ウラン・プルトニウム・その他の放射性物質が混ざった溶液を分離して、ウランとプルトニウムは再び燃料へ→その他の放射性廃棄物はガラスで固められて、ガラス固化体になる。
 PRセンターにて、日本原燃で行われている作業の概要をつかんだ後に、実際の工場の見学に移りました。

ウラン濃縮工場見学
 ウラン濃縮工場は、外観のみの見学となりました。
 工場内には、日本原燃が独自に開発した遠心分離機が置かれていて、遠心分離を行うことでウランの濃度を上げ、発電に適したものにしています。

低レベル放射性廃棄物埋設センター
 原子力発電所の床を洗った水、作業着、手袋、配管、フィルターなどは、低レベル放射性廃棄物として、日本原燃敷地内で埋設処分されています。
 具体的には、それらのごみはドラム缶に詰められて、日本各地の原子力発電所から、六ケ所村の日本原燃に送られてきます。ドラム缶は、厳重な検査の後、地面に掘った「ピット」の中に埋められていきます。ピットが満タンになると、そのピットはコンクリートで固められます。
 埋立地の全てのピットが満タンになったら、ピットの上を粘土で覆い、さらに盛り土をして、埋立地を閉鎖します。閉鎖後もモニタリングが続けられます。

再処理工場
 再処理工場では、見学者ホール、中央制御室を見学しました。
見学者ホールでは、模型を用いて、どの建物でどんな作業が行われているのか、詳しい説明をお聞きしました。
 再処理工場は、多くの建物が連なっています。それぞれの建物は、渡り廊下と地下トンネルでつながっていて、社員は渡り廊下を渡って、物体は地下トンネルを通って、建物の間を移動します。
 現在は、試運転の最終段階、性能検査が行われています。中央制御室は、すでに3交代制・24時間体制で動いており、5つのチームが交代して勤務しています。1チーム約80名なので、中央制御室で働いている社員は、約400名になります。
 正式に稼働すれば、1年間に800トンの処理能力があります。現在までに、試運転で425トンの使用済み燃料を再処理した実績があります。

使用済み燃料プール
 再処理工場は現在試運転中ですが、使用済み燃料プールは、1999年から、日本各地の原子力発電所から運ばれた使用済み燃料を受け入れています。
 受け入れ容量は3000トン。これまでの累積受け入れ量は3393トンです。425トンは試運転で再処理されたので、現在は2968トンの使用済み燃料が貯蔵されています。
 プールの水深は約12メートル。底には約4メートルの高さのラックがあり、そこに使用済み燃料が差し込まれて、貯蔵されています。つまり、使用済み燃料と水面との間には、8メートルの深さの水があることになります(水によって、放射線を遮へいしています)。

高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターは、1995年に操業を開始しています。フランス・イギリスからの返却ガラス固化体1830本が貯蔵管理されています。
 貯蔵管理センターには、約2200本のガラス固化体を貯蔵管理するスペースがあります。工場内には、約4万本のガラス固化体を貯蔵できる敷地が確保されています(現在の貯蔵施設が満タンになったら、順次、新しい貯蔵施設を建設する予定になっています。
 貯蔵施設では、ガラス固化体が、最大9本、縦に積まれて保管されています。そこには空気の通り道があり、下から上に向かって、冷たい空気が通り抜けていきます。空気は、熱いガラス固化体に温められて、上昇気流となって、貯蔵施設の上部から抜けていきます。電気を使わず、空気が自然に流れるような仕組みになっています。



▲PR館の外観 緑色の部分が展望台です


▲PR館の展示 ガラス固化体を作る様子が模型で示されています


7月2日 六ケ所視察の事前勉強会
7月10日 日本原燃株式会社の見学
7月11日 六ケ所村読書愛好会との意見交換会
7月18日・8月1日 六ケ所村視察の共有会
8月21日・22日 福島県次世代エネルギーパーク視察
11月3日 幌延視察の事前勉強会
11月16日 幌延町視察(町役場の方との意見交換)
11月16日 幌延深地層研究センター視察)
12月26日 最終意見交換会


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